Column
3月の幼稚園だより
Cocoon Skyblueの教室には、気持ちを表す言葉の横に、紙コップがついた表があります。
“Happy” “Sad”はもちろんのこと、 “Silly” “Excited” “Worried” “Angry”など、8つの感情があります。
登園した子どもたちは、自分の名前が書かれたスティックを、その日の気持ちを表す言葉の横に入れます。
Circle time 中に、Cynthiaがスティックを一本ずつ持ち、名前を呼んで、 “Why are you happy today?(今日はどうしてハッピーな気持ちなの?)”と一人ひとりにたずねます。
“I’m just happy!(なんだかハッピーなの!)” と答える子もいれば、“I’m happy, because my mommy and daddy are happy!(パパとママがハッピーだったから!)” “I’m happy, because I had a yummy breakfast.(今日の朝ごはんが美味しかったから!)”など、思いおもいに理由を述べます。
先日の節分の日には、 “I’m scared, because demons are coming today(今日は鬼が来るから怖い気持ち。)”と語ってくれた子もいましたし、 “I feel silly today, because I like being silly.(今日はなんだかふざけたい気分。)”と笑いながら話してくれる子もいます。
1日を過ごすうちに、気持ちが変わったからと、途中でスティックの場所を動かす子もいます。
自分のスティックをどこに入れるか考える時、子どもたちは、一瞬自分自身を見つめます。
さらには「どうしてそう感じるの?」と質問され、もう一度自分を見つめ、言葉を探し、答えます。
毎日繰り返し取り組む事で、お互いの気持ちがわかる上に、お友だちの言葉から学びあう機会にもなります。
同時に、自分がどんな発言をしたとしても、表現した自分の内面をクラス全員に受けとめてもらえる体験へとつながっているのです。
この取り組みを始めた時に、どうしても自分のスティックをどの紙コップにも入れたがらないお友だちがいました。
入れたくなったらいつでも入れていいよ、とだけ伝えておくと、1週間後には、楽しそうにスティックを入れる姿がありました。
そして、その理由を聞かれる度に、彼は誰よりも嬉しそうにお話ししてくれるようになりました。
周りのお友だちがする事を観察し、なるほど、と納得して自分を表現した時、それまで想像したこともなかった人と繋がる豊かさを経験できたのでしょう。
お友だちや先生に自分を受けとめてもらえる経験は、人の心を確実に開く事を教えてもらいました。
6クラスの朝はそれぞれの先生たちのスタイルで始まります。
先生が一人ひとりに”Good morning! How are you today?”とハグし、おしゃべりしながら始まるクラス。
“I am happy!”など自分の気持ちを子どもが書く事から始まるクラス。
先生が歌いながら一人ずつ “How are you?”と聞いて回るクラス。
どのクラスでも、一人ひとりの子どもたちがどう自分を表現し、心を動かし、お互いに繋がる経験ができるか、日々ワクワクと真剣に工夫を凝らし、毎朝子どもたちを受け入れています。